想像力が人生を豊かにする。
ファッション誌「ELLE」の編集長である主人公が、ある日突然植物状態になって左目しか動かせなくなる話。全編左目しか動かせない主人公の視点から描かれる(だからこちらもものすごく目が乾いてくる)。全身麻痺しているため会話ができないので理学療法士の提案した特殊な方法で会話することになる。はじめこそ「死にたい」と言っていたが、すぐに「本を書くから出版社に電話しろ」と言い出し、「会いたくない」と言っていた子供たちに会い、サッカー中継に野次を飛ばす。身体の自由は失っても好奇心と興味は失わなかった。それは彼にとって「希望」とか「誰かのために」といった外付けの原動力ではない、もっと心の奥底にある「泉」のようなもの。
公開当時やたら話題になっていた記憶がある。日本で人気が高いフランス映画といえばってイメージだけどどうだろう。過度な演出や小難しさがなく、誰の心にも響く作品だと思います。