海馬

小さな恋のメロディの海馬のレビュー・感想・評価

小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)
4.0
学部時代のゼミの先生がオススメしてくれて、DVDを貸してくれた。
もしこんな恋愛が先生の理想だったとしたら、「先生ってプラトニックね」なんて言ってゼミメンバーと笑いあったけれど、
こんな恋愛が理想だと言える大人の方がずっと素敵に違いないと今は思う。
大人になればなるほど、自分がとても信頼していた人に裏切られることもきっとあるだろう。

人を信じるのも、好きになるのも、とっても勇気がいることだと思う。
わたしも年々そのことの重み、尊さに気づかされてばかりで、
なんだかこころが縛られているようにこわばってしまったりもする。
だからこの映画を観た当時は、主人公たちのひたむきな愛がただ眩しかった。

もし、物語ラストの二人の少年少女の逃避行が、永遠に甘く、美しく、続いて行くとしたら。
そんなことは絶対にありえないはずなのに、そういう想像力が働いてしまう不思議な作品なのだと先生は言った。
絶対にありえないよ、と内心思っていたけれど、今ではあの逃避行が永遠に続くように祈ってばかりいる。それだけわたしも強くなれた気がする。

Bee Geesのサントラもすごくいい。
海馬

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