benno

憎しみのbennoのレビュー・感想・評価

憎しみ(1995年製作の映画)
5.0
🤍ྀི【 My 400th review 】🤍ྀི


タイトルはちょっぴり強烈ですがっს
とっても惹き付けられた作品です‪ෆ ̖́-‬

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モノクロのフィルムで映し出される暴動シーン…。

流れてくるのは The Wailers ♬ "Burnin‘ & Lootin’ “ …久しぶりに聴いたBob Marley のレゲエ…映像と相俟ってcoolだけれど刹那的…このシーンだけで鳥肌モノです。

とにかく全てがカッコいい!! 暗くてダルくて最高にカッコいい!!

舞台はパリ郊外(バンリュー)の移民ゲットー…そこで暴動が発生し、アブデュルという青年が警察の暴行により重体に…。

次の日、友人であるサイード、ヴィンス、ユベールの3人は彼が入院している病院へ見舞いに訪れますが…そこで警察と揉め、追い払われてしまいます。

実は暴動が起きた際、ヴィンスは警察が紛失した拳銃を拾っていたのでした…。

登場人物は多様な背景を持つ人種で構成され、彼等移民がミクスチャー化しているのが興味深い…

喧嘩っ早いユダヤ系白人のヴィンス…
お調子者のアラブ系イスラム教徒のサイード…
そして穏やかで冷静な黒人ボクサー、ベナン系キリスト教のユベール…。

中でも、ヴィンスのギラつき感が堪らない!!

マイノリティ(移民)という同属意識から膨れ上がる警察に対する"憎しみ"…3人の青年たちの1日を映し出します。

とにかく映像の魅せ方がイチイチcool !! 画面に入り込むグラフィティも意味を持たせるところがオシャレ…

彼等の名前を紹介するのも視覚的! サイードは自分の名前を警察車両に書き殴り…ヴィンスは自分の名前の指輪をはめ…ユベールはボクシングの試合のポスターに写り…それらをアップで捉えます…めちゃカッコいい映像!

そしてファッション…スポーツウェアとワークウェアの中間のような…ヴィンスはNikeのウィンドブレーカーの上にMA-1 …サイードはジャージにレザーのボンバージャケット…ユベールはオーバーサイズの迷彩柄の上下にシアリングジャケットとCarharttのビーニー…今でも十分cool!!

そしてそして音楽も、多民族文化ならでは…レゲエやラガマフィン、Cypress HillのラップやIsaac Hayes のソウル…

見た目のカッコ良さだけで無く、会話は文学的であり詩的…ヒップホップ文化からなのか、興味深いセリフが散りばめられています。

そして寓話で始まり寓話で終わります…。

"50階から飛び降りた男がいた…
落ちながら彼は確かめ続けた…"

« Jusqu’ici tout va bien…
Jusqu’ici tout va bien…
Jusqu’ici tout va bien… mais
L’important c’est pas la chute
c’est l’atterrissage… »

  "ここまでは大丈夫…
ここまでは大丈夫…
ここまでは大丈夫…でも
   大事なのは落ちることじゃなくて
      着地だ…"

ラストシーンに至るまでのヴィンスの心の動きがいかにも人間らしい…
しかし彼の堕ちていく着地点は……。
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