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憎しみのkchのレビュー・感想・評価

憎しみ(1995年製作の映画)
3.9
「だが、大事なのは落下ではなく着地だ」

落下していくと歯止めが効かなくなる。自分のルーツも居場所も見出せず、からっぽから生まれる虚勢。フランスのbanlieue(郊外)もので頻繁に描かれる無鉄砲さ。  « Les miserable »やシアマの« Bande de filles »、ダルデンヌ兄弟の « Tori et Lokita »。

あまりにも無計画で無教養で、ブルジョアのヴェルニサージュに突撃して場を荒らすシーンにハラハラするが、そもそも彼らにそうさせているのはパリの真ん中でギャラリーにいる人たちの無関心さではないのか、ということが突きつけられるようで苦しい。
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