菩薩

憎しみの菩薩のレビュー・感想・評価

憎しみ(1995年製作の映画)
3.7
三人の不良と一丁の拳銃。誰がいつ何のためのにその弾を放つのかとサスペンスが持続するが、結局物語の「着地」は曖昧に処理される。ここにいてはいけないと頭のどこかでは分かりつつも、慣れ親しんだ環境に身体が染まりきってしまい、気づいた時にはあれよあれよとどん底まで落ちてしまっている。スタイリッシュかつシャープな映像が目を惹くが、ラ・ジリのレ・ミゼがある今となっては多少の型落ち感は否めないし、まだまだクラシックと呼ばれる程に熟成されてもいない。移民二世の変容と一夜モノと言う点においては、これの対極にあるのがバス・ドゥヴォスの『ゴースト・トロピック』なんじゃないかと思ったりした。『俺のシテがやられる』よりは断然面白い、男だけの話すぎんのよね。
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