てつ

バトル・ロワイアルのてつのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
3.5
当時これを映画館で観たのかな?
はっきり覚えてないですが、その時の胸糞な感情を思い返しながら観ました。
ひたすら生徒が死んでいって、慈悲も何もない。島でのシーンがほとんどなため、彼らがこの戦いに入る前の状況は戦闘シーンから想像するしかないのだけど、それを思い起こさせるセリフ回しで、うーんと唸った。その部分での芸の細かさは見事だったな。
秋也の父親みたいに、何かの事情で人生に絶望感を覚えてしまうのはどんな心持ちなんだろう…。公開されたのは2000年だから、当時の世相観としては終末のような薄暗さがあったのかな、と振り返らざるを得ず、とても暗澹としてしまう。
もちろん当時、原作小説も読んだのだけど、小説はそこまで厭世的な世界観を持ってなかったので、ただただそういうディストピアの中で殺し合いやるよっていうお話だけだったんだよね。映画化にあたってよくあそこまで肉付けしたなと思い、面白かったですね。
続編はまた少し様子が違うようだけど、日を置かず見ると思います。

前田亜季が可愛いなと思ってましたけどやっぱり可愛いな。

【思いつくまま感想(たぶんネタバレ)】
うろ覚えなのですが、担任キタノの役は原作にはなかったと思います。
あの立ち位置めっちゃモヤるのです。
冒頭で、彼らがBRに行く前の日常風景の中でキタノと彼らとの学校内の風景があります。BR中にも「一年生のとき関わった」と言っています。キタノは、生徒にあまり強く指導のできない、気弱なキャラとして描かれています。さらには一応、一児の父である一面も見せていて(これは次作へと続くのですが)、子どもとの距離感の掴み方を測りかねている描写がとても切ないのです。
今、自分が同じくらいの中年の男性として作品をみるに、誰からも直接的には教えられてなかった気がする、いちばん大切なところの、コミュニケーションの重ね方を再履修させられているような錯覚を覚えたのです。
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