青二歳

インサイド・ディープ・スロートの青二歳のレビュー・感想・評価

4.5
ポルノ史の金字塔"ディープスロート"に携わった多くの人々へのインタビュー集、及び当時の映像の拾遺。
70年代のポルノシーンを理解するのに最高の1本。ドキュメンタリーの在り方としてはガッツリ編集があるものの、その"ポップ"な、かつ"ハイテンポ"な編集のすべては、70年代のセクシュアリティをめぐる言説の目まぐるしさとエネルギーの大きさ教えてくれる。

良作。
この頃の猥褻裁判辺りは、「もうAVがすごいし…ネットで手軽に見れるし…ピンとこねーよ」と思われがちですが、この多数のインタビュー(政府、検察、宗教者、出演者/視聴者、フェミニスト、テレビキャスター、etc.)をよく聞いてもらえば、性をめぐる言説のダブルスタンダードは今もなおなんら変わりないことが分かるはず。
現代の日本で見てもたいへん興味深いですよ。

とはいえ、この作品ではアメリカにおける70年代の実験的表現から、現代の爛熟した商業的消耗品までを畳み掛けるように提示してくれますが、そもそもアメリカが世界一性規範に保守的な国民性を持つことを踏まえてないと、「ピンとこねーよ」に陥ってしまうのでご注意。
ま蛇足ですが。結構アメリカは性に明るいとイメージしてる方に出くわすので。
青二歳

青二歳