このレビューはネタバレを含みます
戦争が無ければ幸せな暮らし送っていたであろう二人が理不尽に引き裂かれる。今作で描かれているのは所謂戦場の過酷さや残酷さというよりは、一度戦場に出たら故郷に愛する人が居ようとも簡単には抜け出せない戦線を離脱することの難しさ、更には自分を匿った罪でその大切な人にまで危害が及ぶという南北戦争下の悍ましい環境。
脱走兵に対する処罰や戦争での自分の行いから植え付けられた罪悪感による後遺症が上手く映し出されていた。また雪上に流れる赤い血とゆっくり倒れ込むインマンによって一層切なさが増す。
鳥による暗示表現と助演女優賞のレネー・セルヴィガーが印象的だった。