金魚鉢

LION ライオン 25年目のただいまの金魚鉢のレビュー・感想・評価

3.9
遠く離れた故郷のことも行き着いた国の言葉もほとんどわからない状態で迷子になり、誰を信じていいかわからない恐怖は想像を絶するものでした。迷子になってから街で攫われそうになる場面や施設を出るまでのところから、良くも悪くも人との出会いひとつでその後の人生が大きく左右されてしまうことを痛感した。子供側からすれば選べないものなので今一度恵まれた環境であることを感謝しようと思う作品でした。

異国で今も誰かが必死で自分を探し続けている事実、育ての親に本当の家族に会いたいと打ち明けるか否かの葛藤など味わったことのない境遇で共感など到底できないはずがないのに、見ていて胸が締め付けられました。最後の実際の映像からのタイトルの意味明かされるところで、この物語がノンフィクションであることを思い出させられ鳥肌が立った。
金魚鉢

金魚鉢