ヴェンダースのあまりに素朴すぎる日本へのまなざしを考える上で意外と『東京画』は大事かもな、と思って見てたら40年近く前の映像でもサミットだけは今と変わらぬ姿で映っていて笑った。1985年、小津を求めたヴェンダースからすると既に何かが失われてしまった東京が映し出されている。しかし今となってはここで見ることができる景色もまた、失われてしまった風景だ。テレビに映るタモリ倶楽部OP‼️小津組で撮影監督を務めた厚田雄春のインタビューがとても良かった。小津は野次馬が集まるのが嫌だったのでロケ撮影をしたくなかったとか。戦後の小津組の撮影では列車内の撮影だけホンモノ、レンズは必ず50ミリ。サイレントからトーキーになって音声トラックの分だけ画面が狭くなったって知らなかったな。厚田に借りた『秋刀魚の味』の脚本、「ひと言もわからない」に笑った。読みてー。最後には言葉を詰まらせる厚田の姿が泣ける。しかし、『東京物語』をそのまま引用したオープニングとラスト、それでいいのかよ。
