みんと

現金に体を張れのみんとのレビュー・感想・評価

現金に体を張れ(1956年製作の映画)
4.0
久々のフィルム・ノワール。
やっぱり痺れる~!!
やっぱり好き!

キューブリック28歳のハリウッドデビュー作。才能が光る!緻密さを随所で感じる。

同時進行的にシーンを展開させる巧みな編集、ダイナミックでスタイリッシュな映像、なんと言っても、どうだ!と言わんばかりの見事なラスト。その脱力感、無常感ときたら もう……

『地下室のメロディー』のラストとも重なるこの感覚が堪らなく好き。そもそも、この感情を引き出すべく6人の強盗団のそれぞれのエピソードがソツなくムダなく積み上げられてる。しかも85分の短尺の中に!

とりわけ腑抜け亭主と、性悪妻のくだりが何とも上手い。キャスティングも素晴らしい。

タランティーノ、ノーラン監督に影響を与えたであろう事は明らかだけど、ピエロマスクの原点はもしやここなのかなぁ…?

後のとんでもない名作達を生み出す前にこんな作品も撮ってたとは?!ほとほと天才肌の監督である事を改めて。
みんと

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