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天地明察のqpのレビュー・感想・評価

天地明察(2012年製作の映画)
4.0
 算哲は江戸時代に囲碁棋士であったが、数学や天文学ができることから、日本の改暦を命じられるという実話をベースにした話です。

 算哲が算額絵馬を解くことに没頭しているシーンから始まります。囲碁や天文に焦点を当てる時代劇は珍しく、戦いを描くことが多い他の時代劇とは一線を画しています。

 囲碁棋士でありながら天文暦学者であることがきちんと最初に理解できませんでした。囲碁棋士なのに数学を解いていて、北極出地に行くという設定は理解するというよりも受け入れるものになってしまいました。さらに、囲碁が分からないし、登場人物の細かい設定や関係も分かりませんでした。

 それでも、今となっては当たり前の地図や暦を作る様子を観ることができて良かったです。色々なものに試行錯誤があることや、真実よりもコネや政治力が重要と感じる部分が現代にもつながるものだと感じました。また、歩きながらの土地の位置の測り方、天文台の作り方、暦を確認するために日食、月食を使うこと、庶民への暦の必要性の訴え方などは興味深かったです。

 授時暦が若干ずれる理由が分かった時は自分でも納得がいったので、特段楽しくなりました。優秀な人でも集中して視野が狭くなっていると意外と気づかないなと感じました。いっしょにアハ体験できました。

 えんとの出会いや触れ合いはどこまで実話かわかりませんでしたが、映画が映える方向になっていると個人的には感じました。えんのように気が強いながらも男性を待ち続けられる女性は現代にはなかなかいないでしょう。

 ただ、映画ですので、年月の変化が伝わりませんでした。登場人物が年を取っていないように感じるからか、日食や月食が頻繁に起こっているように感じてしまいました。もう少し年月が経っているように感じることができれば、より大作業と感じることができただろうと思います。子供がいれば、成長で判断できたのになと思いました。

 あと、色々なことに手を出すデメリットとして話が飛んだと感じる部分がありました。若干ついて行けなくなることはマイナス要素ですね。
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