じょうパン

ダークナイトのじょうパンのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.4
部分覚えていたシーンはありましたが改めてすごい映画だなと実感させられました。
前作でヴィランに少し魅力がないという部分が見事に解消されていて、それどころかめちゃくちゃ魅力があるジョーカーというヴィランになっていたので流石だなと思いました。言うまでもなく、ジョーカー演じるヒース・レジャーの演技は上手かったです。というか上手いを通り越して演技してる感じが一切しなかったです。

今回改めて観てすごいな思った部分は演出と脚本が上手いなと思いました。
3人が一気に殺されたり、気絶させられたりするシーンが死ぬと分かっていても一気に死ぬのは観ていてドキドキしました。その後、パーティーにジョーカーが入ってきてジョーカーがレイチェルの頭を掴んだ時に、カメラが2人の周りを回るのが良かったです。
またジョーカーが一度警察に捕まった時に、レイチェルとバービーが爆弾がいっぱい敷き詰められたところに別々で縛られていてそれを助けに行ったバットマンと警察官ですが、助けに行った方とは逆の人物がいたり、警察署ではジョーカーがわざと警察に喧嘩を売って、電話=爆弾をかけさせてくれと頼み、警察署は爆破して見事ジョーカーの思い通りという展開が面白かったです。お腹痛いと言った人が同じ警察署に来ると分かっていたから、ジョーカーはあんなに余裕な顔をしていたんだなと思い返して気づきました。
またテレビに出てるリース君を60分以内に殺さないと病院が爆破するというシーンで、ゴードン警部と一緒に車で逃げているリースの前に病院に妻が入院している警察官がショットガンを持ち座っていて凄く怖かったです。
他にも色々画面に釘付けになったシーンはありましたが、これほど画面に釘付け状態になるとは思っていませんでした。バットマンやその世界の人達だけではなく、映画を観ているこっち側もジョーカーに騙されて映画を観ているので観ていて凄く楽しかったですし、これがリアルなんだなと体感しました。これはノーラン監督にしか出来なかったと思います。

あとはセリフが面白かったです。
バービーが逮捕されて車で護送している時にジョーカーが襲ってきて、バービーが「吹っ飛ぶか?」警察が「バズーカ砲なら」と言った直後にジョーカーがバズーカ砲を出してきて笑いました。他にもブルースがリース君を助けに行くシーンでアルフレッドとの会話でブルースが「パッドポットは昼間は目立つ」アルフレッドが「ランボルギーニで?地味ですな」の後に本当にランボルギーニで向かってたので笑いました。

この映画で微妙だった部分はレイチェルのキャラクター設定かなと思いました。単刀直入に言うと、浮気みたいな行為をしていて男性で遊んでいるようにしか見えないので、レイチェルが死んだり、死んだ後の手紙のシーンでもあまり感情は動かなかったです。

最後のシーンでバットマンが「ヒーローへの信頼が報われねば」と言い自分を悪者扱いにして警察に追っかけされるシーンで子供が「何で逃げてるの?ヒーローなのに?」ゴードン警部が「ヒーローではないのみ、沈黙の騎士、我々を見守る監視者、ダークナイトだ(暗黒の騎士)」と言ったシーンに鳥肌が立ちました。最後にタイトル回収をしてくるのも上手いですし、バットマンが今作ではヒーローという立場ではなくなったことを指しているのでこのタイトルは凄く上手いなと思いました。
久しぶりに観たけど、本当に良かった!
じょうパン

じょうパン