このレビューはネタバレを含みます
たった12分だ。
メッセージ性、
オリジナリティ、
音楽や作画の世界観
どれをとってもすばらしい。
積み木は、積み重ねた想い。
思い出を表しているのかな。
おじいさんがワイングラスを見つけ、思い出から醒めるとき、涙が出た。はからずも、急死した父を思い出したのだ。
思い出はいつもあたたかい…。
なのに過ぎた日は、もう戻らない。
時間は冷たく行きすぎていく。
でも……
忘れてしまわない限り、心の中にその人、その時間、出来事がたしかに存在している。
打ちひしがれるでも慟哭するでもない。
しずかで哀愁があり、全てを受け入れて少し微笑むことができるゆとりある気持ち。過ぎ去ったものを見つめる、あの気持ち。
乾杯するおじいさん。
わかるような気がした。
何に思いを馳せるかは人それぞれ。
この余韻こそ、名作の条件と思う。