12分程度の短編ながら濃厚!
お爺さんが住む“積み木の家”
水没した世界に住んでいるので増水する度に家を高く増築していく。
この家の積み重ねを積み木に例えたファンタジックな物語だが、その舞台設定はデストピアなんだよね。そのギャップが先ず面白い。
絵柄がヨーロッパのアニメの様な絵画的なタッチで温かみがある。
爺さんのキャラデザも良いし、意図的にパースの狂った背景も魅力的だ。
そして落としたパイプを拾いに水没した家を降りていき、爺さんの記憶を辿っていく。積み木の様に重ねた家が、年齢を重ねる事とリンクしている。この作品の重厚さは、この爺さんの人生の圧縮を描いている事に起因しているからだね。
死別した妻との思い出を手繰る爺さんにとって、この家の立つ世界はデストピアでは無いのだろう。
というか、アヌシーもアカデミーの短編アニメ賞も取ってるのか。どーりで。