勇斗

つみきのいえの勇斗のネタバレレビュー・内容・結末

つみきのいえ(2008年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

海に浸食されていく家にレンガを積み上げては、日々を繋ぎ止めているお爺さん。
ある日、パイプを落としてしまい、自ら潜水して取りにいくことになる。
下にゆけばゆくほど直面するのは、積み重ねてきた思い出たちだった。


かつて家族と暮らした部屋は、既に海の一部と化していた。寂しく残った家具を眺めては、ボンベから息を漏らすお爺さん。
吐き出した泡沫にはどんな感情がこもっていたのか考えてしまう。

暖かい思い出であるだけに、独り残されたお爺さんの悲壮感を強く感じた。



家は上に積み上げていく以上、どうしても少しずつ劣ってゆく。
昔は家族で住んでいた大部屋が、今となってはワンルーム、この構造がお爺さんの衰退を表しているように見えて切ない。


それでも彼は、魚を釣って生きてゆく。
どこに行き着くのかはまだ分からない。
勇斗

勇斗