ミシンそば

つみきのいえのミシンそばのレビュー・感想・評価

つみきのいえ(2008年製作の映画)
3.9
今週はアニメを多く観たので締めもアニメで(長編を今から観る体力が無かっただけですが)。

一昔前のアカデミー賞を獲った、短編アニメーション。
海面上昇によってジャンジャン水没しつつある街で、水位が上がればレンガを数日かけて積んで簡易上階を作ってやり過ごす(沈んだ下層は釣り場にする)、そんなことを繰り返しながら一人暮らす老人が、大事なパイプを下層に落としたのをきっかけに、潜水服を着て下層に降り、そこから過去と向き合い、下に取り残してきた記憶を、思い出とともに懐かしむ、静かできれいな話。

想い出はいつもキレイとは限らない(こんな街じゃ、特に)けど、それでもかけがえのないものだって、この短い時間で雄弁に語れている傑作だろう。
個人的に、自分によく刺さる作品だった。