橋口監督特有の日常の切り取り方と映画監督としての圧倒的な映像的安心感、編集・演出力を改めて感じさせられた作品。
凹凸がありながらも世間から理解されない男女3人が互いの隙間を埋めていく様子は可笑しくもありつつ、胸に突き刺さってきました。
特にクライマックス川辺で3人が文字通り寄り添う場面と彼らが最後にたどり着いた答えで何故か涙が溢れてしまいました。
主演3人のアンサンブルは素晴らしく、ゲイのカップルを演じた田辺誠一と高橋和也のデフォルメされていない自然な演技(特に作品によっては超怖い高橋和也が進むにつれてどんどん乙女で可愛く見えてしまうのがビックリ)や片岡礼子のストーリーが進むにつれての表情の変化など本当に演技だけでも見れてしまう。
橋口作品特有のなが回しや所々で挟まれるコミカルな場面(しかも作品のテーマとしっかり呼応している)も印象的でした。
本当に橋口監督にしか撮れない作品になっているうえに、しっかりエンタメ度も高く、心に残るような作品でした。素晴らしい!
