ゆっきー

草原の追跡のゆっきーのレビュー・感想・評価

草原の追跡(1952年製作の映画)
4.5
アルゼンチンの草原を舞台にした西部劇?でこれまた超絶大傑作!
主人を失ったオールドスクールな生き方しかできない男の話で、まるで『ゴーストドッグ』であるが、後半は『ハイシエラ』のような逃亡劇となる。

撮影がとんでもなく美しく、モネなんかの印象派の絵画のようだ。

ヒロインのジーン・ティアニーも最高で、彼女が主人公の帰りを祈るべく暗がりでマリア像と向き合い祈るショットなんかは、すでにタルコフスキーをここでやってる。

ターナーの作家性はこういう開けた、かつモブが出てくるような映画で発揮される。
カメラと人間の運動の美しい連動、パンやドリーによって画面の中に人間をスムーズに出し入れする見事さが堪能できる。
圧倒的な映画!

木の下で主人公と、彼が助けたティアニーが語らうショットの美しさ。
風が微かに吹いており、ボロボロになったティアニーの服の袖がはためく。
エモーショナルなシーンだ。
ゆっきー

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