あさ

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのあさのレビュー・感想・評価

3.6
だからこの手の映画は映画館で観たい…と思いつつ。今回は割と集中して観てたけどそれでも箱に詰められて向き合いたかった。名作を家のテレビで見るもんじゃない。

この人の映画は『ファントム・スレッド』しか観てなかった。最近見るもんないとか思ってたけど、見るもんは世の中ゴロゴロあるんよ…。正直話としてはそこまで驚けず。そもそもカンピオンの『パワー・オブ略』との比較の話が出て観たのだけど、確かに類似点がチラチラ。どちらも原作アリのものなので、そもそも原作が類似しているのか映像化の過程で似たのか。(調べたらこの映画は原作の150ページくらいしか組み込んでないらしいので後者かもしれない。)

原作の『石油!』は1920年代に発行され、サヴェージの『パワー略』は1920年を舞台に描かれたもので発行は1967年。作者の生きた時代は全く同じではないけれど、重なる部分はあり。
こちらは成り上がりで財産を築いた石油王の話に留まっているような印象で、あまり各登場人物の人間性に共感はできなかったかなあ…。(下手に比較しすぎたんだけど)富を手にして畏怖の存在になりながらも、ボロボロと大切なものが手元から零れ落ちてる。でもこれがアメリカン・ドリームの姿だよねと思ってしまう。いつの時代も、威厳を振りかざして抑圧する人って決定的な弱点がある気がする。ダニエル・デイ=ルイスの怪演は確かに凄い。
あさ

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