あさ

成功したオタクのあさのレビュー・感想・評価

成功したオタク(2021年製作の映画)
3.8
監督であり語り手のオ・セヨンが推していたチョン・ジュニョンを存じ上げなかったので調べてみた。字幕でも「グループチャット事件」と出ていたが、ハテ…と思い。この辺り詳しく解説入れても良かったんじゃないか?

【チョン・ジュニョンと元FTISLANDのチェ・ジョンフンは2016年1月に江原道、洪川、そして同年3月に大邱で泥酔状態の女性を集団性的暴行した疑いが持たれた。さらに性行為を違法に撮影し、グループチャットに共有・流布した疑いなどで2019年3月に逮捕された。

第1審で裁判所は彼に、懲役6年と80時間の性暴行治療プログラムの履修、5年間の児童・青少年および障がい者福祉施設への就職制限などを言い渡した。

これに対してチョン・ジュニョンは控訴し、2020年5月に開かれた第2審で、裁判所は1年減刑して懲役5年を言い渡した。さらに彼はこれを不服として上告したが、最高裁はこれを棄却し、性暴力犯罪の処罰などに関する特例法違反などの疑いで懲役5年を言い渡した。】

引用:歌手チョン・ジュニョンが満期出所…集団性暴行で懲役5年(Kstyle)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c53d13659bffb0abd30bd054634f0917c020553f

なるほど酷い。そして改めてこのドキュメンタリーを収めたセヨン氏の行動力に感服。
内容として同じ事を行ったり来たり…というのは他の人のレビューでも散見したし分かるが、こうしてファンの語らいの場を作り、世に放ったパワーは凄いなと思った。

何より、このニュース見て思ったけど
第1審の言い渡し。

・懲役6年
・80時間の性暴行治療プログラムの履修
・5年間の児童・青少年および障がい者福祉施設への就職制限

これ、日本だったらどうだろう。治療プログラム、就職制限、今の日本の課題じゃないだろうか…。2006年からプログラムはあるそうだけど、日本ではまず対象者が限られていて誰でも受けて帰ってくるわけじゃない。じゃあなぜ存在するんだ。まず私達にもそういう制度があることすら浸透していない。

松本人志の報道も進行中だけど、スターだからと忖度されてはならず、性犯罪はしっかりと処罰が下るべき。どうしても日本は遅れすぎている。児童への性的暴行も相次いでいるけれど、何度目の逮捕という報道ばかり。就職制限、絶対に大事だろう。どこまで蔑ろにし続けるつもりなのか。
「遵法精神」という言葉を使っていたオタクもいたけれど、どうしたら私たちにもその精神が浸透するんだろう。ずっとネットで騒いでるだけじゃ終われないだろうと最近もどかしくて堪らない。

ファンだったからこそ生まれる気持ちの揺らぎもしっかりと捉えていて。少しでも庇う気持ちがあれば二次加害なのではと不安になる事、推し続ける事自体が犯罪に加担しているんじゃないかという感覚。ここが凄く客観視されていて良かった。それでも、楽しかった思い出は消えない。とっても、とても苦しいことだわ。

元ジャニーズJrだった方々が何年も経ってようやく被害を告白できる社会になったのに、その口を更に塞いだ人の中に一部現役ファンもいたり(それが全員ではないにしろ)、
大切に推してきた思い出とどうにか切り離して、犯罪者は犯罪者だ、いけない事はいけないと、許さないという気持ちを忘れずにいれることはとても大切だと思うんだ。

「女性としてどう思うか」
これに関しても、日本で二次加害をしているのは男性だけでもないところが胸が痛い。なんかもう、どうしたらいいんだろうね。
フェミニズム進めていきたいよ〜と改めて思うなどとする。うん、なんか今日はこれを見れる気分でよかった。

<その他>
お姉様方が多いイメージフォーラム…そして韓国に詳しいのか笑いどころがプロ(?)でした。なんかいつもと違って楽しかった。ヨーグルトマッコリ溢しただけで大爆笑で流石に釣られた本当に楽しかったです…ありがとう…(?)
あさ

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