このレビューはネタバレを含みます
終始セリフが少なく、沈黙とBGM、そして血とも石油とも分からぬ何かに潜む狂気に圧倒された。
作り込みが凄まじく、1900年代前半への没入感が半端じゃない。
金儲け、商売、金目当ての行為は道徳と相反するものなのだと強く思った。
どんなに良好な関係でも、金がちらついた瞬間に牽制しあったり、裏切られたり碌な事が起きない。歴史から鑑みてもこれはほぼ間違いない。
ただ、狂気に満ちた父親だったが、唯一強く共感したセリフがあり、それは「人と関わらずに生きていけるだけ稼ぎたい」だ。
自分も究極はこれで、稼がずに1人で生きていけるのならば、好きな事だけして自分の好きなように人間関係を構築し、ストレスとは一切合切遮断された生活を送りたい。
ダニエルは最終的にポールを拾った事、プライドを捨て一度は入信したことなど、全てがいい方向へと進んでいった。ただ、それが幸せと結びつくかは別の話だ。
採掘場爆破のシーンが衝撃的だった。本当に壊してたのだと思うが、臨場感がここまで伝わってきた。