Haman

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのHamanのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

死人を出しながらの油井建設に黒部ダムa.k.a.プロジェクトXを重ねてしまう日本人のさがはあれ、黒部と油井で人間の死に対するむなしさが段違い。どちらも市井の人々のためという建前はあっても、その鎮魂歌が中島みゆきの歌声か西部劇のヴィランみたいなビジュの口髭荒くれ男の罵詈雑言か。こんなん油まみれで死んでいった彼らが報われないよ。関係ないけど死因の中でも落下物で人が死ぬのを目撃すると血の味を一番感じる気がしますね (?)

題名の「血」は血液でもあって原油でもあって血縁でもある。エゴとはいえ孤児を本当の息子のように育て愛していたのに、実弟と名乗る男が現れたら手に余る息子は冷酷に捨て去る。家族経営に拘るのも血縁に囚われてる証。やっぱりPTAの映画は一貫して孤独な人間が愛のはけ口を探してる映画だなと思った
イーライはそんな彼が求める家族を持ちながら自分の私利私欲のために生きてる男。ストローで吸い上げるのが原油か信者の金か。自分に無いものを持ってるはずなのに鏡写しの自分を見ているようでむかっ腹が立ったんだろうな。地獄みたいなボウリング場での惨劇をありがとう

許容範囲を超えた火柱に子供の頃ユニバのバックドラフトで生唾飲みまくって戦慄したことを思い出したりした
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