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真昼の決闘のIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

真昼の決闘(1952年製作の映画)
3.2
午前十時の映画祭11、12作品目は真昼の決闘。

まず初めに、この映画の終映時刻を原題の"HIGH NOON"に合わせて12時にした劇場の粋な計らいに敬意を。
こういう遊び心があると、映画をより楽しめる。劇場に感謝。

物語は10時35分から始まり、真昼の12時の汽車で町に到着する殺し屋を迎え撃つ保安官を描いている。

今作の特徴は、時計が頻繁に映されること。
敵が攻めてくるまでの時間が刻一刻となくなっていくのを上手く表現している。
同時に、現実の時間とほぼ同じスピードで話が進むのでリアルタイムで観ているような感覚が味わえる。

あと、のちにモナコ公妃となるグレース・ケリー。
白黒のスクリーンでもわかる気品漂う美しさ。控えめに言って、超絶美人。 

注)内容に触れますので情報をシャットアウトしたい方はここでSTOPです!



ちなみに保安官、殺し屋を迎え撃つにあたって仲間を募るものの、皆自分の保身に走り協力は得られず。結局1人で立ち向かうことに。

こういうところは現代にも通ずるものがあって、当事者意識の低さ、口から出まかせの嘘でその場しのぎ、自分がやらなくても誰かがどうにかしてくれるからといった他人任せの姿勢…。
今まで知らんフリだったのに、上手く問題解決した途端周りに群がってくるヤツら。
観ていて、なんだかやるせない気持ちになりました。

口だけが上手いヤツ、他人に媚びて自分の立場を上げるヤツ、相手によって態度を変えるヤツ、こういう人たちが上手いこと甘い汁を啜って、頑張ってる人が報われない社会って…。私は健全じゃないと思います。

もっと、誠実に頑張っている人が評価される世の中になってほしいと切に願います。

ちょっと暗くなってしまいましたが、西部劇というより人間の社会風刺になっていて、考えさせられる1本でした。