らむだ

日本沈没のらむだのレビュー・感想・評価

日本沈没(1973年製作の映画)
4.4
自分はかなり楽しめたので、平均評価上げとこ。

話の流れは普通のディザスタームービーなんだけど、原作は本当に日本沈没するってなったらこういう事起こりそうだよね、みたいな想像を色々膨らませたのがよくわかる。情報をいつ発表するかで悩んだり、 国連が役に立たなかったり、現代でも妙に納得出来てしまう要素があるのに加え、「このまま何もしない方がいいんじゃないか」みたいな1周まわった意見出てくるのも面白い。全体的に昭和の価値観がプンプンだし女性が添え物扱いなのは、そういう「記録」として割り切っておく……

災害による都市や国土の破壊シーンは特撮を駆使した凝りように圧倒されたけど、細かいところで日本の災害あるあるを見せられて普通に息苦しくなる。ニュースで見るような風景が出てくるし、余震で建物がガタガタ揺れだした時の緊張感とか再現度高過ぎないか……?中盤の大災害シーンで、関東大震災を経験した老人が「火には絶対近づくな!」って言いながら津波に流されるのとか、悪趣味が過ぎるよ……

総じて役者も良かった。藤岡弘、さんは初めてちゃんと芝居見たけど佇まいだけでイケメンオーラ出すのすげぇな……現代では決して珍しいとは言えないストーリー展開も、原作・脚本のセリフセンスと役者の説得力ある演技で全然飽きない。

あとは、災害パニックものとしてのお約束ってもうこの頃の作品にはあったんだなという感動。「こうして観ると東京も満更じゃねぇな」→ドカーン、「今日は富士山が綺麗」→ドカーン、「日本列島はここが最初に割れるはずなんですけどね」→(お?逆に奇跡的に生還者が出る流れか?)→カット代わるなりドカーン、もはや様式美すら感じる……
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