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ベルリン・天使の詩のaiのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
4.5
詩的表現や哲学的なメッセージが含まれている作品。観て「退屈」だと感じる人も多いだろう。しかし、タイトルから想像する単なるピュアファンタジーではなく、様々なシーンで当時の歴史的背景を象徴しており奥が深い。

時は東西分断されていたベルリンの街。廃墟の上から人々を見守っている天使ダミエル。
空から2人の天使がモノクロのベルリンの街並みを眺めているシーンから始まる。この天使の視点に用いられるモノクロ映像からは生命感や、柔らかい光などは感じられず寒々しい映像が印象的。
モノクロとカラーの使い方が非常に巧みで、天使の視点ではモノクロ、人間の視点ではカラーで表現されており、そこも東西分断されていた背景を感じられる。
主人公の天使が人間界に降りた瞬間の色彩の切り替えはハッとするほどキレイである。

生きている、というのはどういうことなのか?音、色、感触、日常全ての行為が「生きてる」実感があるのだと教えてくれる。

悩みや哀しみ喜び。そして死を間近に感じた時。何かしらの転機は必ずある。
いつか必ずこの映画が素晴らしいとわかる時が誰にでも訪れると思う。
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