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ミンボーの女のpongo007のレビュー・感想・評価

ミンボーの女(1992年製作の映画)
4.5
 民事介入暴力、ミンボーの恐ろしさを世間に知らしめた傑作です。この映画でヤクザをさんざんこき下ろした伊丹十三監督は、本当にヤクザに襲われて、顔を切られました。衝撃でした。いるんですね、そういうヤクザって。軽蔑します。暴力に対して映像表現でヤクザに立ち向かっていった伊丹監督を尊敬します。

 話は、東京の格式高いホテルヨーロッパが舞台。いろんなタイプのヤクザがいろんな揺さぶり、脅しをかけてきます。ヤクザ役の伊東四朗、中尾彬、我王ぎんじらが、とてつもなくおっかない。いろんな脅迫をしてきます。

 ホテルを救うためにきたのが宮本信子演じる井上まひる弁護士。へなちょこなホテル従業員を鼓舞して、ヤクザを撃退していきます。ラストは壮快です。

 井上弁護士が、ヤクザは人を恐怖で支配して、人の尊厳まで奪おうとする。それがゆるせない、みたいな台詞を言う場面が好きです。
 
 ヤクザをかっこよく描く映画が全盛のころ、伊丹監督はこの映画撮るのに、すごく勇気がいったと思います。伊丹監督のおかげで、ヤクザはかっこよくないものだとみんなが理解できました。ありがとう、伊丹監督!
 
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