おもしろい。東出昌大演じるプログラマーが、つくったソフトを２ちゃんねるで公開。開発者の意図とは違い、２ちゃんねらーらがソフトを悪用。違法ソフトのＤＬやら無修正のわいせつ動画の視聴やら、いろいろやってしまいます。危機感を抱いた政府が取り締まりを警察庁に命じ、大阪府警が東出昌大を逮捕してしまうというお話。
裁判になって、警察や検察の恫喝まがいの取り調べが明らかになっていきます。これ、国策捜査です。国家にとって障害となりうる人物やプロジェクトをつぶすのが目的だから、いちいちちゃんとした裏付け捜査もしません。国家の敵は排除するだけです。
対抗する弁護団は「殺人犯が包丁を使って人を殺したら、その包丁をつくった人を立件できるのか」という問いかけをします。全くその通りです。東出昌大には、ソフトを開発した際に、そんな悪意はなかったわけですね。それを使う人が、悪さをするのです。「包丁をつくった人」をいちいち罪に問うていたら、ものづくりなんて、なにもできませんね、って話です。
国家の謀略と、悪意なく悪用されてしまうものをつくってしまったプログラマーの闘いでした。国家権力恐ろしい。東出昌大の演技も、世間知らずのプログラマーを地で行く感じで、とても素晴らしかったです。
こういう骨太な社会派ドラマは、本当に勉強になるし、おもしろい。良い映画でした。実話ベース。
