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ピクニックatハンギング・ロックのbibliophageのレビュー・感想・評価

3.3
全編を漂う妙に甘い香りが匂ってくるような…。それでいてとっても不穏。

1975年のオーストラリア映画。レンタルビデオで見ましたが、ズ画質も悪く縦横比も昔っぽいです。舞台は1900年のお話。物語の冒頭、全寮制の女生徒たちが目覚め、みんなで並んでコルセットを身に着けています。そんな時代。十数人で近くのハンギング・ロックと呼ばれる岩山へピクニックへ、馬車で出かけます。校長から、「暑かったら手袋を外して良い、街を過ぎるまではダメ!」とか言われます。その通り、生徒たちは街(大草原の小さな家に出てきそうな街)を過ぎてからやおら手袋を外します。

岩山でくつろぐ彼女たち。その中に美少女ミランダ(確かに美人)。白いドレスの制服のままで靴下や靴を脱いだり、寝そべったり。妙に艶めかしく。(そんな映画では無いのですが)

マリオン、ミランダ、アーマ、イーディスの4人の生徒は岩山へ登ると、頂上近くの岩の上でお昼寝。そして突然ミランダ、マリオン、アーマの3人が起き上がり岩間へ。イーディスは呼びかけるのですが、何も答えず。そして、イーディスは悲鳴を上げて逃げ帰ります。それっきり、この3人と一人の先生が行方不明になってしまいます。神隠しなのか、人為的なものなのか。事故なのか…。4人が消えてから女学校にも悪評が立ち、校長はいら立ちおかしな行動をとり始めます。

全編、パンフルートの曲も何故かとっても不安にさせてくれます。少女たちの岩山での風の音は不気味でした。まだまだ封建的な時代だったのでしょう。なんだか居たたまれなく感じる映画でした。
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