タクマ

クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡のタクマのレビュー・感想・評価

4.0
世界に影響を与える呪われた玉を飲み込んでしまったひまわり。2つの勢力のひまわり争奪戦に巻き込まれる野原家は…
劇場版第5作。
後々「嵐をよぶモーレツ大人帝国の逆襲」を制作する事になる原恵一監督がここから暫く劇場版クレヨンしんちゃんを監督する事になる。
ひまわりが野原家加入後に初めて作られた映画。話し的にはひまわりを奪い合う2つの組織の戦いが軸になるわけやけどその周りのキャラクター達がまあ個性的な事「笑」特に野原家の味方になる珠由良ブラザースのオカマ達。スキンヘッドのオネエキャラ3人組っていう灰汁の強い個性でコミカルながらも劇中で大暴れする姿は見ていて爽快感があります。映画クレヨンしんちゃんシリーズに出てくるオネエキャラって皆エネルギッシュで良いキャラしてるんですよね。時代の流れもあり今では年々そういうキャラクターは出せなくなってますが逆に言うと何でも好きな様にやれた時代だからこその破壊力を秘めた作風になってます。
この映画ってひまわりにばかり構う周りの大人に嫉妬したしんのすけが立派なお兄ちゃんになるまでを描いた物語なわけですが不貞腐れてるしんのすけを見たひろしが「自分一人ででかくなった気でいる奴はでかくなる資格は無い」っていう台詞に一番当たり前だし大切な事だと理解していながらも心の奥底では忘れちゃってるなあって思った人いるんじゃないでしょうか?
現に私自身、兄弟が多い中での真ん中っ子やったけど上の兄弟に優しくしてもらった分したの弟や妹にどこまで優しく出来てただろうか?と思ったり。それこそ大人になればなるほど皆自分の事だけに精一杯になって利他的よりも利己的になりがちですからね。
クライマックスは兄としての自覚に目覚めたしんちゃんがひまわりを助ける為に奮闘してその結果色んなミラクルが起きますが結局この映画の行きつく結末って自分の欲望の為にとかではなく本当の世界の危機に対して野原家と言う家族を通して全ての人が利他的になる事で生まれた愛の物語なんだと個人的には思ってます。自分の為にではなく誰かの為にで生まれる最強の愛の力。今の世界に一番伝えたい大切なメッセージかも知れません。
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