πのchiのネタバレレビュー・内容・結末

面白かった！
モノクロ映画にしては音楽がアグレッシブだし映像もわかりやすい、と思ったら最後のクレジットで97年とあって納得。取り上げられる（流行の）数学概念を含めたモチーフや軍・政府が介入してこない勢力図の分かりやすさも時代性か。
めちゃくちゃ伝わってくる頭痛描写と蟻でも嫌だけど蟻でギリギリ助かった「まとわりついてくる他者」概念でいくらでも続けられそうな展開を、「時間が来たから切り上げるね」とばかりにカッコーの巣の上で方式で終わる。カッコーの主役は主人公力が高すぎて好きじゃなかったので自分の意思じゃない結末が爽快であり、本作の主人公は共感がしやすいので自分で決断した結果なのがすっきりする。アリさえなければ何度でも見たい。アリが出てくるので何年かに一度のペースで劇場観賞を切望する映画になりそう。