ペジオ

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π(1997年製作の映画)
3.7
数字は嘘をつかない だから俺が嘘をつく

第1 数学は万物の言語
第2 全ての事象は数字に置き換え、理解できる
第3 それを数式化すれば一定の法則が現れる
故に全ての事象は法則をもつ

普通に納得できる演繹である(数学的な推論方法)
第1の仮定のみが主人公が「数学者」であるが故に陥りやすい落とし穴だったのかもしれないが仕方ない
この場合の「数学者」とは職業や肩書きでなく、生き方だから(「数字至上主義者」といってもいいか。)

映画では神話、宗教、経済、自然現象等々が「数字」という「点」に集約されていく
「点」が何かは人それぞれだが、あらゆる事柄を自分の「頭の中」で「繋げる」事は誰だってする(…するよね?この仮定も間違ってるか?)
他人にはメチャクチャな理屈だとしても、自分の中ではぶっとい筋が通った理屈で繋がる事もままある
「点」にあたる概念への信望故か、その概念が間違いであるとはしたくないから、それ以外の事柄の正当性をねじ曲げる事に躊躇いは無い
当人の頭の中だけで成立するそれを人は「妄想」と呼ぶ
決して聞こえの良くない呼び名を与えられたそんな行為を何故人はするのか?

楽しいからである
ペジオ

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