めちゃくちゃ好きでしたこの作品。
とにかく直線的な映画です。
いわゆるトロッコ問題ってやつ。
果てしない一本道に、追う男と追われる男。基本的に1人か2人かしか画面には映らないし、台詞だって決して多くはありません。それに加えて結局ヒッチハイカーは何がしたいのかよく分からないし、素性も判明したりはしません。
しかし、だからこそ際立つこの2人のキャラクター造形と、静かな対立、狡猾な対決、主人公の変化、そういう繊細な表現をする為にはこのくらい思い切った省略が必要なんだと思い知らされました。
ジョジョの作者である荒木飛呂彦先生が好きな映画として挙げている本作。
そう思って観てみると彼らの闘い方はジョジョの世界観にも影響を与えている気もします。
力作だったと思います。悪役を演じるルドガー•ハウアーの演技が素晴らしかったです。『ブレードランナー』のロイとは全く別人に見えました。