Omizu

ウィスキーのOmizuのレビュー・感想・評価

ウィスキー(2004年製作の映画)
4.5
【第17回東京国際映画祭 グランプリ】
ウルグアイの作品。カンヌ映画祭ある視点部門に出品され、オリジナル視点賞、国際映画批評家連盟賞を受賞した。日本でも高く評価され、キネマ旬報外国映画ベストテン第7位に選出された。

とてもよかった!そもそもウルグアイ映画なんて普段観ることがないが、予想以上に面白かったしクオリティも高い。

靴下工場を経営する男は、従業員の女に結婚してるように見えるように頼む。それはブラジルで暮らす弟が来るからだった・・・

説明を省き、繰り返される日常とその違和感で演出していく。確かにカウリスマキっぽいし、語り口はウルリヒ・ザイデルっぽいなと感じた。

無理矢理弟に旅行に誘われてしまうのだが、そこで起きる心情の変化を上手く描いている。妻を演じるマルタはどうなったのか、想像をかき立てるラストが秀逸。

工場主ハコボもマルタも抱える孤独感、繰り返される退屈な毎日がかき乱されていく様を静かに描いている。

タイトルの「ウィスキー」は日本でいう「1足す1は2」のような写真を撮るときのかけ声。それをタイトルにするのが面白い。

静かに進んでいくが、きっちり面白く、背景が段々浮かび上がっていく単純にすごく上手い作品。好きなタイプの映画だった。素晴らしい。
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