ウィスキーの作品情報・感想・評価

『ウィスキー』に投稿された感想・評価


ウルグアイのさびれた靴下工場を舞台に、経営者の老人と助手の中年女性、経営者の弟が織り成す人間模様をユーモラスに描く。

ウルグアイのとある町。父親から譲り受けた寂れた靴下工場を細々と経営する初老の男ハコボ。彼の工場には控えめで忠実な中年女性マルタも助手として働いている。長年一緒に仕事をしている2人だったが、必要最低限の会話以外とくに言葉を交わすことはなかったそんなある日、1年前に亡くなった母親の墓石の建立式のため、疎遠となっていたハコボの弟エルマンが訪れてくることに。そこでハコボは不意に、弟が滞在する間だけ夫婦のフリをして欲しいとマルタに頼み込む。彼女は仕方なくそれに同意し、2人は早速準備に取り掛かるのだったが…。

これまで60本の映画しか作られていない南米の小国ウルグアイで製作され、カンヌ国際映画祭でオリジナル視点賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞。
camuson

camusonの感想・評価

4.0
ウルグアイのしがない中小靴下工場のオーナー工場長(兄)のもとに、
ブラジルに打って出て、靴下工場で一山あてた弟が、
久しぶりに故国に戻ってきて再開することに。
独身の兄は、幸福な結婚を偽装するために、
長年勤めた女従業員に妻役を演じることを依頼するが・・・
といった話。

兄、弟、妻役の何とも言えないぎこちなさの機微をうまく捉えています。

巨匠を思わせる渋く落ち着いた作品だなぁと思って見ていたのですが、
監督は30歳の若者と聞いて驚きました。
本作品公開の2年後には自殺したとのこと。
惜しい才能を亡くしたものです。
沈黙と固定したカメラ。独特の世界観に慣れるまで時間がかかったが、その先には、言葉や動作にはない豊かな感情表現があった

このレビューはネタバレを含みます

写真笑顔の合言葉「ハイ、チ〜ズ!」が「ウィスキ〜!」なんだね、お国違えば文化色々。殆ど笑顔のない無表情、無愛想な靴下工場の経営者ハコボ、そこに長年勤める年増従業員のマルタ、共に独り暮らし。毎朝工場のシャッター前でハコボを待つマルタ、ハコボが来てシャッター開けて始業前の縫製機モーター電源を入れる、マルタは更衣室で手早く着替えハコボにお茶入れる、ハコボは一言“そこに置いて”と言ってお茶に目もくれずブラインドの修理に取り掛かっている。マルタは日中流れ作業の不良品チェックし、外の喫煙所でタバコ吸って息抜きし帰りには年下同僚2人のバッグの中を点検して帰路に着く判で押したような毎日、このシーンが3日間繰り返される。それを観せておいて突然ハコボから弟エルマンが母の納骨にやって来るからその間、妻のフリして欲しいとの依頼を受ける。疎遠で仲もけっして良くない兄弟の間に立って妻役をする羽目になるマルタ、ブラジル暮らしの弟は兄の無愛想をよそにマルタに陽気に話しかけて来る。普段とは余りに隔絶した束の間擬似生活を満更でもない様子で過ごすマルタ、弟が去りハコボから謝礼を貰ったマルタは翌朝にはシャッターの前に姿を現さなかった。全編ほとんど3人のよる舞台劇のような人間喜劇モニタリング、マルタが味気ない生活から何かに目覚めた意味深ラストが哀切ミステリーの余韻を残します。
eigajikou

eigajikouの感想・評価

4.0
公開時、シネマイーラが浜松東映の自主上映会で見た。

独特な静かなおかしみがあった。
監督が2006年に32歳で拳銃自殺してしまったのはとても残念だった。
ウルグアイの靴工場。
工場長のハコボは疎遠の弟が来るという事で、助手のマルダに頼み込み夫婦のフリをしてほしいと頼む。

小品の類いではあるが、ウルグアイの映画というのは初めて見た。
タイトルのウィスキーは写真に写す「ハイチーズ」から来ているものだとか。

この映画非常に静かであり、誰も彼もがぺちゃくちゃ喋ったりしない。
だからかカウリスマキ作品を思い出してしまう。
単純な進み方などせず、疑似夫婦が本物の夫婦にはならないというのも新鮮だった。
こういう映画を、週1回お酒飲みながらぼーっと観るルーティーンを構築したいものだ。
XXXXX

XXXXXの感想・評価

3.9
今宵はウルグアイ映画です!
靴下工場を営む社長。弟が久しぶりに帰ってくる事から、古株のおばさん社員に妻のふりをしてくれと頼む。2人の奇妙なお芝居が始まる...。

タイトルのウィスキーとは、ウルグアイでは、写真を撮る時にウィスキー!と言って笑顔にするそうです。笑

社長はどこまでも口数が少なく、愛想もない頑固ジジイです。ベテラン社員のマルタにも挨拶くらいしかしません。
偽装夫婦になったことでも、相変わらず口数も少なく、重度のコミュ障のオッサン!

マルタは、髪型を綺麗にしたり、女性らしさを振りまくのですが、どこまでも鈍感な社長!

弟がやってきて、一緒に旅行に行こうと提案します。社長とマルタ2人がなんと同じ部屋に!しかし、社長はベッドにも入らずソファで寝てしまう堅物。
マルタは、社長を見限ることにします。
そして、社長はと2人の結末は?

何処までも地味なガーエーですが、中年男女の恋愛未満な関係をしっかり描いた作品だと思います。
でも、堅物社長のいい年だから、女性を口説けない寂しさってのは、すごい共感しちゃった。
マルタも自分が女性であることを、否定されてしまったように感じたんでしょうね。

なんとなく思わせぶりな、ビターな結末を迎えることになります。
この作品は結構良かった!今作の監督は、2006年に自殺してしまったそうです...。
何があったのか心配しちゃう。

実は2005年当時、この作品ユーロスペースに見に行ったんです。ウルグアイの映画なんてよく劇場公開したな!とビックリしましたね。職場の同僚からこういう映画見に行った!と言ったら、「お前そんなの見て面白いの?!」と飽きられました。笑
こういう良作こそ配信してくれればいいのに!笑
設定面白かったのに、ストーリーは結構普通。
弟はウザすぎるから禿げたんだと思ったら笑える。
なんだかんだマルタは得しかしてない。
落伍者

落伍者の感想・評価

3.0
嘘で固めた偽夫婦と作り笑い。多くを語らない間と表情。ラストの微細な変化に余韻が残る。監督は2006年に32歳で自殺してる。
>|

あなたにおすすめの記事