ふむふむ

未知との遭遇のふむふむのネタバレレビュー・内容・結末

未知との遭遇(1977年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

冒頭では正体不明の現象が起こる。それらは明らかに未知のものによって引き起こされ、興味、恐怖、憧憬、衝動を人々に抱かせる。
未知の出来事に、多くの人が突き動かされていく。
ある者は科学的に、ある者は絵で、ある者は語りで、主人公は模型で湧き上がるインスピレーションを形にしてアウトプットしようとする。

衝動を抱えた人々はあるシンボル的な場所を目指していく。だが、ある者は行動すら起こさず、ある者は国の妨害で離脱する者、体力の限界、家族のために途中で歩みを止める者。
そんな中、主人公だけが、他を顧みず家庭すら捨てて未知へのあこがれだけを抱きゴールに行き着く。
そしてついに宇宙人との接触を果たした主人公は宇宙人に選ばれ、そのまま旅発ってしまう。訓練されたプロではなく、アマチュアのド根性でここまで来た主人公を。

これは創作の世界で起こることなのだろう。アイディア、衝動、行動、困難におじけづかず、自分のエゴのために何もかもを犠牲にする。そんな人が映画、漫画を作り上げていく。スピルバーグはSFへあこがれ、どうしようもない創作意欲に駆られてこの映画を撮ったに違いない。

エンディングに入って自分は彼に言いようのない嫉妬心を抱いた。いつか自分もという衝動に駆られそうになる。そんな映画だった。
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