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孤独な場所でのSIのレビュー・感想・評価

孤独な場所で(1950年製作の映画)
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2020.12.22
自宅PCにて鑑賞

すぐ手が出る暴力的で孤独な脚本家である主人公は向かいの部屋の女性と恋に落ちる。殺人事件の犯人として主人公が疑われ、また頼まれた執筆の世話の忙しさに追い込まれる中で、女は彼を愛することが出来なくなり遂に別れを切り出すも、その直後に脚本の成功、真犯人逮捕の電話を受ける。

ハンフリーボガート。
後に同じニコラスレイ監督によって撮られる『理由なき反抗』に似た、理解されない孤独な男の哀愁が漂う映画。

脚本は王道。
女は男を愛する気持ちと、男を疑う気持ちの狭間で悶え苦しむ。
男が仕事を依頼される原作本の内容が、この映画の内容と似ている。
次第に脚本内の主人公が憑依してくる男。だからこそ、暴力的な一面がより喚起されたのか。
クリエイティブのための情熱がプライベートを浸食し歪めていく様は、シャイニング然りやはり面白いし、もっと掘れるジャンルだと思う。

グロリアグレアムが主人公にプロポーズされて嘘でOKを言う時に、一瞬目が上を向く芝居が面白い。

タイトルが良くなく、覚えられないのは勿体ない。

良い映画でした。
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