ジキル博士の主観から始まったり、画面が斜めに分割されたり画作りのこだわりを感じさせる。また鏡を頻繁に登場させ、ハイドへ変わるシーンを強調していたのも面白かった。
しかしストーリーはラニオンが生き残っている時点でお察しだったので、あまり面白くなかった。
ハイドの顔について原作には「青白くて嫌悪感を抱かせるほどの奇形」とあったので、この映画の猿っぽい顔と私の想像していた顔は少し違った。
そしてハイドのキャラクターは原作と比べて根本が違う。原作ではジキルの中にいる純粋な悪として描かれているが、映画で色欲のままに行動するただの嫌な奴になっている。残忍さが足りない。これはいただけない。
ジキルも原作では孤独な初老だったのに、婚約者のいる若い男に変わっていた。しかし、この改変はストーリーの面白さをグレードアップさせていて良かった。