ツナ男さんの映画レビュー・感想・評価

ツナ男

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ゆきてかへらぬ(2025年製作の映画)

3.7

去年の今頃、中原中也の詩集を読んでいて「時こそ今は...」という作品の中に出てくる長谷川泰子が気になってしょうがなかった。なのでナイスタイミングな映画化。観るしかない。

映画化で一番注目していたのは
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下町の太陽(1963年製作の映画)

3.8

女性の幸せとは何かを取り上げていて、かなり時代を先取りした話だった。

花やしきから見える夜の街のネオンや自動車のライトが非常に幻想的で良かった。白黒だからこそ、光と闇が強調されてなお良い。綺麗。
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ドライブ・イン・マンハッタン(2023年製作の映画)

3.1

観る前からちょっと予想がついていたが、やはりタクシーだけのワンシチュエーションなので様々な構図の工夫が見られたとはいえ、次第に飽きてくる。

キャストも2人だけのかなり限られた空間で作られた映画。2人
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キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2024年製作の映画)

3.6

今までのMCU作品では中々見られなかった日米関係が絡んでくるような政治的なストーリーが新鮮で良かった。やっぱり面白いですよ。

私はMCU作品を「アイアンマン」からずっと追ってきて「エンドゲーム」で燃
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秋日和(1960年製作の映画)

4.2

後妻とか縁談とか小津安二郎監督作品の中でも随分と昭和の価値観が表れている作品だった。

今作で娘ではなく母として描かれる原節子は綺麗なネイルをしていたり、ビールを豪快に飲み干したり他の小津映画とキャラ
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マッドマックス(1979年製作の映画)

3.1

果たして舞台を5年後の近未来にする必要があったのか。現在の1979年でも良かったと思う。何か事情があったのかな。

ローアングルで地を這うようなカーチェイスシーンの迫力が凄い。ドキドキする。
ストーリ
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ジキル博士とハイド氏(1932年製作の映画)

3.2

ジキル博士の主観から始まったり、画面が斜めに分割されたり画作りのこだわりを感じさせる。また鏡を頻繁に登場させ、ハイドへ変わるシーンを強調していたのも面白かった。
しかしストーリーはラニオンが生き残って
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男はつらいよ 寅次郎と殿様(1977年製作の映画)

3.6

最初の鯉のぼりと犬のいざこざは完全にとらや一同が悪いので、あれで寅さんが怒られるのはちょっと可哀想だった。たまにある寅さんに非がないパターン。

時代劇のスター嵐寛寿郎が演じる殿様はやはり風格があって
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

アンサの家で一緒に食事をするシーンが凄く良かった。小さいテーブルに小さいグラス、2人きりのこの空間に小さな幸せが溢れていた。

その後、ちょっとギスギスしてホラッパが出ていき、アンサは彼のためにせっか
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Broken Rage(2024年製作の映画)

3.4

北野武監督が映画という玩具を遊び倒したような新しさ満載の作品。前半と後半で描き方を変えた実験映画とのことだが、まさかコメディの後半がメインだとは考えもしなかった。

前半のピリピリした雰囲気は怖くて観
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狂った一頁(1926年製作の映画)

3.3

公開からまもなく100年経つ現在観ても新しさを感じる。まだ時代が追いついていない。
ホラーというわけではないのに、現在のホラー映画の何倍も怖い。人間の頭の中をそのまま映像化したらこんな感じかもしれない
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森の鍛冶屋(1929年製作の映画)

2.5

兄弟愛が美しい。
「今は亡き母の霊前に...」のシーンはどこから映したカットなのか分からなかったが、何度か観ると仏壇側から映したカットであったことが分かった。この独特な構図は面白いと思った。

短縮版
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

3.9

ただの恋愛ものではなく、タイムスリップという変わったSF要素もあったが上手く合わさって面白かった。しかも死んだ夫と不仲で離婚予定だったという設定がまた上手い。恋と結婚の違いについて坂元裕二の不思議な台>>続きを読む

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

3.6

「台詞は歌うように」とよく言うが、本当に歌ってしまっているのはこの映画ぐらいだろう。最初は戸惑うが歌と音楽が作り上げるこの異様な雰囲気はクセになる。

母の娘の幸せを願う気持ちと主人公の愛した人と結婚
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めまい(1958年製作の映画)

3.3

「めまい」というタイトルはどうかと思ったが、高所恐怖症のめまいをドリーズームという新しい撮影法で表現したヒッチコックは素晴らしい。観客にもよく伝わってきて面白い。
しかしストーリーでどうしても気になる
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あなたへ(2012年製作の映画)

3.8

健さんの遺作で人と人との繋がりを感じさせるロードムービー。ちょっと台詞回しに違和感があったが、ストーリーは暖かくてほっこりする。

田宮を演じた草彅剛が特に良かった。あの軽くて強引なキャラクターがその
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チャーリーズ・エンジェル フルスロットル(2003年製作の映画)

2.9

オープニングから若干CG感はあるものの、エネルギッシュで無茶なアクションで完璧なつかみ。

エンジェル3人の役者にやらせたいことを先に考えて、後からストーリーを付けたような脚本なので見応えはあるが無理
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男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976年製作の映画)

3.9

マドンナが死ぬ珍しい作品。シリーズでも屈指の切ないストーリー。寅さんより年上のマドンナが死ぬことによって、寅さんももう若くないと感じさせる。

寅さんが柳生家での出来事をとらや一同に語るシーンでノクタ
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

4.0

中盤の死んだはずのジムとイーサンが対峙するシーンが抜群に面白い。イーサンが芝居でジムを欺きつつ、観客と共に色々思考を巡らすので私もチームに入ったような感覚があった。

他にも、しょっちゅう見られる人物
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ショウタイムセブン(2025年製作の映画)

3.0

つかみはバッチリでどう展開していくのか楽しみだったし、テレビ画面の右上に薄く局のロゴがあるのは細かくて良かった。だが後半から少しダレてくる。かったるい。

インスタライブやYouTubeなどのネットラ
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.8

「パラダイスの夕暮れ」はいまいち面白さが分からなかったが、今作は少しコメディタッチなところもあって結構楽しめた。

観ていてかわいそうになるほど不幸続きの主人公カスリネン。何だか無気力で必要最低限のこ
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情婦(1957年製作の映画)

4.3

後半の手紙のくだりから、あれ?これあまりにも出来すぎてないか?と思いながら映画を追っていたら、残り15分のところでウィルフリッド卿の「出来すぎている気がする」という台詞があって、そうだよそうだよと共感>>続きを読む

狂った果実(1956年製作の映画)

4.0

現在ではアウトな価値観も見られるが、原作脚本が石原慎太郎なのでまあ納得。
ストーリー自体は若さと女と嫉妬というしょうもないものだが、ウィットに富んだ台詞回しや月光でキラキラ光る海、顔ドアップで独り言の
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ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

3.4

安楽死をテーマに死にゆく友人マーサと葛藤するイングリットの最期の日々を描いた作品。

2人の死に対しての考えの違いやマーサが徐々に身体だけでなく心まで死に近づいていく様子が繊細に描かれていて良かったが
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.2

前作の「ビヨンド」で終わりにしても良かったものを無理に続けてしまったような感じがした。正直、作らなくても良かったと思う。

「アウトレイジ」、「アウトレイジ・ビヨンド」では様々な殺し方が面白かったが、
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の・ようなもの(1981年製作の映画)

3.7

特に大きな事件や出来事が起きる訳では無く、日常が明るく淡々と過ぎていくだけのストーリーだが、その中に若いエネルギーが感じられた。

落語と共に過ごした青春の1ページという印象で輝かしい感じもするし、少
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アーサーズ・ウイスキー(2024年製作の映画)

4.0

若返って後悔を精算するだけでなく、三者三様の自分らしい生き方と本当の若さを見出していく展開が深みのあるコメディになっていて面白かった。
また3人のファッションも生き方と相まって変化していくので、そこに
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.6

手持ちでの撮影と登場人物のリアルな演技は、まるで本当の出来事を撮影したドキュメンタリーのような錯覚を覚えた。
特にクリーニング店や飲食店でのヒトラーと店員の会話シーンは、アドリブの即興演出なのでリアル
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フェイス/オフ(1997年製作の映画)

4.3

スローモーションを巧みに用いて爆発やアクションシーンをより派手に見せる演出が良かった。
またストーリーも顔を入れ替えて、さあどうなるという先の見えない展開にずっとハラハラして楽しめた。エンタメ作品とし
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チャーリーズ・エンジェル(2000年製作の映画)

3.5

少し雑なストーリーも王道でエンタメ性が高く、底抜けに明るいので頭空っぽにして楽しめる。
チャーリーの任務に勤しむエンジェルたちがメインだが、彼女たちの恋人との日常も描かれていてそっちも面白い。

クリ
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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976年製作の映画)

4.2

「夕焼け小焼け」という題だけあって、所々に差しこまれる夕焼けに焼かれた街並みが綺麗。
前半の先生のくだりから後半のぼたんのくだりまで進行がスムーズでテンポも良く、観やすい。

寅さんがぼたんから金を騙
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ベルサイユのばら(2025年製作の映画)

4.1

フランス革命の話ということは知っていたが、それ以外は何も知らない完全初見だったが十分楽しめた。
前半は宝塚のようなミュージカルシーンがしつこい感じがしたが、後半との比較で華やかさを演出していたと思えば
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8

エドガー・ライト監督作品なので結構明るくスタイリッシュに作られていた。
まずオープニングから驚いた。長回しでカメラがベイビーに付いて行って、楽曲の歌詞が街中に書かれているというこだわりが凄い。
全編通
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.7

台詞がほとんど無い為、波音がものすごく引き立つ。音楽は少し大袈裟な感じもしたが、映像にしっかりマッチしていたのでアリだと思った。

ストーリーは非常にシンプルで分かりやすいが、それ以上に引き込まれるキ
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(2025年製作の映画)

3.9

序盤は「パーフェクトデイズ」のように1人の男の生活が淡々と描かれるが、中盤から徐々におかしくなっていき、終盤では妄想と現実の区別がつかなくなる。この観客にも区別できない虚構の描き方はフェリーニの「8 >>続きを読む

犬の生活(1918年製作の映画)

4.0

ハローワークに行っても他の人に仕事を取られてしまう浮浪者と他の犬に餌を取られてしまう犬、というように人間と犬がダブってくるのが面白い。

二人羽織など笑いのアイデアが溢れている作品。かなりテンポが良く
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