クリストフォルー

サラの鍵のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

サラの鍵(2010年製作の映画)
4.3
直前に公開された「黄色い星の子供たち」は、見慣れた感のある“ホロコースト映画”の類だろうと油断していた私に、新たな衝撃を与えた。【ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件(ベルディブ事件)】なんて、それまで知らずにいたし、シラク大統領の演説のニュースも、1995年じゃ、日本人の目には入らなかっただろう。ドロンの「パリの灯は遠く」も観てたんだけどね。
そして、本作は“ベルディブ事件”が今に続く悲劇だと、より強く印象付けてくれた。パリで始まり、フィレンツェ、そしてニューヨークで迎えるラストシーン。母親の生と死の真実に向き合い、自らの存在の重さを知った息子が、名を与えられた少女に流す涙は、救いとなったのだろうか。
クリストフォルー

クリストフォルー