ねこのみかた

サラの鍵のねこのみかたのネタバレレビュー・内容・結末

サラの鍵(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

悲しい話。

第二次世界大戦中に、フランスに住むユダヤ人までもがドイツの収容所に送られていたとは全然知らなかった。

洗脳されたとか恐怖政治によって強制されたとか色々あるんだろうけど、ただユダヤ人だという理由だけであれほどまでに迫害したりできるものなのかと、本当に恐ろしく思う。

サラの父ちゃん、お前が弟を納戸に閉じ込めるから悪いんだ!みたいなこと言ってたけど、小さな少女が咄嗟に弟を助けなきゃって思って取った行動を誰が責められる?

けっきょく不幸な結末に終わってしまって、その現実がサラをずっと苦しめ続けたんだろうなぁ。
納戸で死ななくても、収容所で同じような目にあって命を落としてたんだろうけど、それでもサラにしてみれば、自分のせいだと思ってしまったんだろう。

サラは、どこか別の場所で新しい人生を始めようとしたんだろうし、結婚をして子どももできたっていうのに、けっきょくは弟の死の呪縛から逃れられなかったんだね。
悲しい。

あまりにも悲しくてツラい内容だけど、現代のストーリーを織り混ぜていることで、ただひたすら重い悲壮感一色の内容になっていないのがちょっと救いだったかな。

ただ、ジャーナリストの女性が何故サラの人生にあそこまで執着してしまったのかが、いまいち伝わって来なかったのが残念だった。

自分たちが住もうと思っていた家が、もともとはサラの一家の家だったこと、サラが自分の娘と被ってしまったこと、やっと授かった二人目の子どもを、夫が今さら欲しくないと拒絶したこと…等々、多分いろんな思いがないまぜになってしまったんだろうけど。

そしてラスト。
生まれた女の子の名前がサラだったっていうあそこ。
もう本当に泣いた。

ちょっとごちゃごちゃし過ぎかなーって思う部分もなくはないけど、とてもいい映画だった。