しろくま

サラの鍵のしろくまのレビュー・感想・評価

サラの鍵(2010年製作の映画)
4.0
『黄色い星の子供たち』に引き続きヴェルディブ事件が題材の作品です。

過去と現在を結びつけるパリのマレ地区のアパート。かつてそのアパートに家族で暮らしていた ある1人のユダヤ人の少女サラの人生を追いかけるジャーナリストは サラの人生だけでなく その周囲の人たちの人生にも足を踏み入れることになります。そして自身の人生をも変えることになっていきます。

ヴェルディブ事件では1万3000人ものユダヤ人が犠牲になったそうです。当然ですが その一人一人に人生があり 家族もいて そしてその家族にもそれぞれ人生があり…そういうことを考えると犠牲者の数では計り知れない人達の大切なものが壊され奪われたんだなぁ…とやりきれない気持ちです😢

この事件が単に過去のことというのではなく 現代に生きる私たちの社会や思想にも繋がっているという視点がとても良かった。知らないことを知ることでやっと「考える」という事のスタートラインに立てるのだと思います。それがまた未来に繋がっていくと信じます。
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