ハレルヤ

すべて彼女のために/ラスト3デイズのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.8
ポール・ハギス監督、ラッセル・クロウ主演のサスペンスアクション「スリーデイズ」。そのオリジナルであるのが本作。

リメイク版を先に見ていましたが、大まかな流れはほぼ同じ。妻が冤罪をかけられ、夫が一か八かの妻の脱獄を企てる前半。そしてラスト30分は怒濤の逃走劇。

時間は40分ほど違いますが、このオリジナルの方が1時間半と、無駄が一切無くテンポ良い印象です。ただリメイクではその分1つ1つのシークエンスや登場人物を濃く描いているし、終盤の逃走劇も危機一髪の場面も多く用意していて、ハリウッドならではの予算の違いが伺えました。

妻の人生を取り戻すため、全てを投げ捨てて覚悟を決める夫。ヴァンサン・ランドンの渋さが役柄に物凄くマッチしていましたし、リメイクでのラッセル・クロウの演技も巧かったなと改めて思いました。妻役のダイアン・クルーガーの美人らしさもかなり映えていましたし、キャスト面ではかなりの充実さ。

このオリジナルでは全体的にスピード感もあり、あっという間に見終えるほどのものでしたが、良くも悪くもあっさり気味という感じ。

リメイクでは本作が下敷きではあるけれど、オリジナルの様々な要素を丹念に掘り下げています。この鑑賞でそれが知れただけでも大きな収穫。

この2作どっちから鑑賞したら良いかと訊かれたら、個人的にはオリジナルを先に見てから、リメイクの方がより楽しめる気がします。逆もアリっちゃアリですが、スケールが違うので物足りなさを感じるかもしれないですね。
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