戦国合戦の華第四次川中島合戦を、名匠衣笠貞之助監督が、リアリズム的手法を用い兵站側からの視点で、大東亜戦争開戦前に真珠湾奇襲を予見した様な壮大な騎馬戦を現出せしめた。上杉謙信と雑兵長谷川一夫等を率いる兵站隊長二役を二代目市川猿之助が、衣笠と息の合った名演を披露して驚嘆した。武田信玄大河内傳次郎の信濃侵攻で窮地の弱小大名村上義清救援の為、謙信が善光寺街道を南下するが、武器、弾薬、食料運搬の殿を務める雑兵を指揮する貝賀孫九郎は、悪路に荷車が脱輪し馬引き百蔵長谷川に崖下に落ちた大釜を取りにやらせると、そこに足に銃創を負った旅芸人一行から逸れたお篠山田五十鈴が倒れて居たので手当してやり一隊と行動を共にする。やがて謙信軍は妻女山に、信玄軍は海津城に布陣する。信玄は、高坂弾正を妻女山攻撃に出陣させ本隊は八幡原に陣取り待ち構えたが、謙信は夜陰に紛れ脱出川中島の信玄を急襲、隊列乱れた混戦で両軍多大な犠牲者を出す。孫九郎も銃弾に撃たれ鮮血が飛び散った。お篠は無惨な戦場に百蔵の死体を発見する。