何度も胸が張り裂けそうになった。
「国境を越えてあの人に会いに行けばきっと幸せが待っている」と信じて歩み続けた姉弟の物語。
不穏な空気に緊張と不安が押し寄せた。嫌な予感が映像に変わる。その上、そこに頼らないといけなくなるもんだもんな。彼女の真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうになった。そんな素晴らしい演技の横で立っている弟の存在感も見事。
人々が見上げた雪景色に詰め込まれた感情と生と死。あそこのシーン好きだな。弟のビン集めのシーンも好きだった。どのシーンもとっても詩的で美しい。空に運ばれていくアレの奇天烈さにも妙に惹かれる。
やっと安堵の地に辿り着いたのかな。何一つ掴めないものを信じて進む二人の姿に、時を忘れるほど夢中になって見守った。
少女の言葉が響く度、希望に霧が立ち込める。
タタン…タタン…