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レインメーカーのtakのレビュー・感想・評価

レインメーカー(1997年製作の映画)
3.4
ジョン・グリシャムの映画化作品は、観ていて本当に力が入る。本作は低所得層の一家が、白血病に対する保険金支払いをめぐって保険会社を相手に起こした訴訟がメインの物語となっている。そして司法試験に合格したばかりの正義感に燃えた主人公が、公判を通じて成長していく様を描く。同じグリシャム作品でも「依頼人」の様なサスペンス的面白さはないけれど、法廷映画としては「評決のとき」とともに申し分ない出来といえるだろう。司法の世界を熟知した作家の原作だけに、司法界に対する目はとても厳しい。

コッポラのメガホンとプロデューサーであるマイケル・ダグラス下に、スタアキャストが結集し、主演の若手を支えている。ジョン・ボイドの悪徳弁護士役は貫禄ものだし、ダニー・デビートもこういう役はさすがに巧い。特筆すべきはお久しぶりのミッキー・ローク。主人公の雇い主であるダーティな弁護士役だけど、出番が少ないのに異様な存在感。訴訟中の主人公を助けるところはかっこよかった。

経験もない主人公だけに訴訟の準備はさぞかし大変なはずなのだが、あまり詳しくは描かれないのでその辺のリアルさは今ひとつ。でもロースクール卒業後の就職や司法取引の様子などは、他の映画では見られないようなリアルさがある。法廷ものがお好きな人なら、きっと満足できるはず。
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