HidekiIshimoto

アワーミュージックのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

アワーミュージック(2004年製作の映画)
5.0
ゴダールが去った。誰でも死ぬのは当たり前だからそう言いたい。映画の世界でゴダールだけがゴダールだった。のも当たり前だけどなんかそう言いたい。そしていつもゴダールは当たり前じゃなかった。いちいち皆が困るくらい当たり前じゃなかった気がする。訃報にふれすぐ書きたくなったのはこの作品。わりと当たり前にサラエボ戦禍批判した印象だけど、公開時何故か取りつかれた。異様な無念と哀しみに溢れた印象だった。異様に美しかった。また観たいけど吉祥寺TSUTAYAも死んだしもう家にDVD観れる環境もない。振り返ってみてゴダールとは作家として当たり前に私的だったと思う。映画という大きなジャンルでそんな表現者そうはいないと思う。そこに痺れたんだと思う。とにかくゴダールにより自分の中の当たり前ではない部分、当たり前に私的な部分は強化されたと感じる。素晴らしい映画作家は沢山いるけど、やっぱりゴダール以前にも以後にもゴダールなしと感じる。