fuming

陽暉楼のfumingのレビュー・感想・評価

陽暉楼(1983年製作の映画)
3.5
遊郭と芸者の生き様を描く作品。まさに古き良き邦画といった作品で、内容にせよ扱うテーマにせよ撮影のこだわりにせよ、いずれも現代ではもうこういう映画は撮れないだろう。ざらついた荒々しいフィルムの画質と鬼気迫る俳優陣の演技が良い。
また、最初は歪みあっていた池上季美子と浅野温子の間にやがて奇妙な友情が生まれていくのが興味深い。雨の中、1人佇む主人公に浅野が別れを告げるシーンは画的にも、物語の文脈としてもただ美しく邦画史に残る名シーンでは無かろうか。緒方拳はやっぱりかっこいいですね。
fuming

fuming