もふまる

陽暉楼のもふまるのレビュー・感想・評価

陽暉楼(1983年製作の映画)
3.8
着物姿の女性って何でこんなに綺麗なんでしょうかね、本当に日本人形のよう。
花柳界の事を全く知らない人が観たら何が何でどうなってるのやら分からないのだろうなぁと思って観てました。
吉原炎上然りですが毎度の事ながら
当時のそう行った業界の慣わしや文献などでは想像しにくい所や
詳しく記されていない俗的な所まで細密に再現?されていて史的な所でも勉強にもなりますね。凄く良いです。
劇中で桃若が放った"男はみんな女の敵"という言葉、
何故だかとても共感してしまいました。そんな桃若も1人の男を想い慕っていると思うと皮肉なもんだなぁと感じます。
敵だと言った"男"を愛してしまう事の悔しさ苦しさよ。桃若が中々1人の男性を心の底から愛しいと思えなかったのは彼女の心のなかにその葛藤があったからなのかなぁ。まさに愛と憎しみが織り混ざった愛憎を描き出していたと思います。
そして不器用な愛情表現しか出来ない勝造と実の娘桃若との噛み合わない親子愛、
珠子と秀次の好意的な愛、一方通行だったり相思相愛だったりと、登場人物間で様々な種類の愛を垣間見れた気がする。
内容ぎっしりで見応えありました。
ただ訛りが強いので聞き取れないところも多々あり是非字幕で観たかった〜。
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