もふまる

吉原炎上のもふまるのネタバレレビュー・内容・結末

吉原炎上(1987年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2回目の鑑賞。
1度目は当時の様子や建物の内装など書物で読んだだけでは連想しづらい部分があり、実際に目で見てみたいと思っていたところ偶々見つけ鑑賞。2度目の今回は一つの作品として鑑賞。
ひとつひとつのシーン、俳優の表情が目に焼き付いて頭から離れない、、、。
主演の名取裕子さんの演技はとてもよかった。大門くぐったばかりの頃はあんなにビクビクおどおどしていて声も小さかったのに後半のお職に就いてからはまるで別人かのような堂々と落ち着きのある振る舞い、表情の変化に驚かされた。
花魁道中のとき紫花魁が身に纏っていたまな板帯の鯉の滝登りの柄が印象的だったなぁ。鯉はその滝を登りきると龍になると云うけどまさしく紫花魁は鯉から龍になったのだなぁと。胸を張ってゆっくりと歩を進める紫花魁の満開の桜も相まって一層凄みのある美しさでゾクゾクした。
最後の吉原が燃えるシーンは若さんとお花ちゃんの燃えるような恋を比喩したのかなぁとも思いましたがどうなんでしょうね。
愛し合い憎み合いで、男女の仲は今も昔も変わらないように感じた。人権も無いに等しく嘘だらけの廓の中で毎日何人もの客を取らされて彼女達は何を感じて何を目的に生きたのか4人の花魁が本編で教えてくれます。ちなみに私はめちゃくちゃ正論言う菊ちゃんが好き。
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